糖尿病のリスクを下げる~食事の注意点とは

糖尿病の予防には、何よりも生活習慣の見直しが重要です。なかでも食事について気をつけることはとても大切ですし、すぐにできる対策でもあります。糖尿病のリスクを下げるための食事の工夫をご紹介していきます。

【糖尿病のリスクを高める要因】

糖尿病とは、インスリンというホルモンが足りなくなったり、十分に働かなくなってしまい、血液中の糖分濃度(いわゆる血糖値)が高くなる病気です。糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、血管がダメージを受けやすくなってしまい、心筋梗塞や脳梗塞、失明、腎不全、神経障がいなどの、重大かつ重篤な合併症を引き起こすリスクがとても高まっていきます。

糖尿病は、主に自己免疫によって起こるとされる1型糖尿病と、体質や生活習慣などが関係するとされている2型糖尿病があり、1型糖尿病の発症には生活習慣や食事の内容は関係ないため、予防方法はありません。

2型糖尿病のリスク要因には、日本人は欧米人と比べてインスリンの分泌量が少ないことや、インスリンの働きが悪くなってしまう体質(インスリン抵抗性)の遺伝のような対策がとれないものもあります。しかし、慢性的な食べすぎ・肥満・運動不足・過度の飲酒などのような生活習慣など、自分で対策ができるものもあります。

生活習慣のなかでも食習慣に関しては今すぐにでも改善できます。早めに見直しましょう。

【糖尿病のリスクを下げる食事】

食事から摂取する3大栄養素である、糖質、タンパク質、脂質のうち、血糖値を上げる主な要因になっているのは糖質です。糖尿病リスクを下げるためには糖質の量を制限するとともに、糖質の吸収が緩やかになる工夫、糖質の選び方の工夫が大切にです。食事のときは、以下のポイントに気をつけましょう。

・野菜や海藻、豆類などの食物繊維を多く含む食品から食べる
・ゆっくり、よく噛んで食べる
・腹八分目を心がける
・間食や、過度なアルコール摂取は控える
・主食は玄米や全粒粉パンなどの未精製の穀物を選ぶ

食物繊維を食べた後に、主食のご飯やパンなどの糖質を食べた方が、糖質の吸収が緩やかになります。血糖値の急激な上昇を防げます。また、ゆっくりよく噛んで食べることは満腹感を得やすくなるので食べ過ぎを防ぎます。インスリンの適切な分泌を促すホルモンが増えやすくなると考えられているため、このような点からも血糖値の上がり過ぎの予防が期待できます。

また、主食は白米や食パンよりも玄米・雑穀ご飯・全粒粉のパンのような食物繊維が豊富な穀物:茶色い穀物、を使ったものを食べた方が血糖値は上がりにくいです。できるだけ茶色い穀物を食事にとり入れましょう。

これらのように、食べ方と主食の内容を見直して、糖尿病のリスクを下げましょう。

【血糖値を急激に上げる食べ物】

・ジュース・コーラ・乳酸飲料・栄養ドリンクなどの清涼飲料水
・あんパン・ジャムパン・クリームパンなどの甘い菓子パン
・菓子(ようかん・まんじゅう・大福など)
・精白米
・めん類(うどん・そうめんなど)
・果物 など

【血糖値を緩やかに上げる食べ物】

雑穀米、十割そばなどのめん類 
・かぼちゃ、芋類(じゃが芋、さつまいも、里芋など)、とうもろこし、くり
・大豆以外の豆類(小豆、インゲン豆、おたふく豆など)など

【食事のコツ、しっかりよく噛み、ゆっくり食べて、腹八分目】

しっかりよく噛み、ゆっくり食べる事で血糖の急激な上昇を予防してくれると同時に、満腹感が増して食べ過ぎを防ぐ効果があります。

できれば、1回の食事に最低でも15分くらいの時間をかけて食べる事を心がけるようにしましょう。それよりも時間が短かったり、早食いをしたりすると満腹を感じる前に食べすぎてしまうことがあります。

ゆっくりよく噛んで食べるには、歯ごたえのあるものや食物繊維の多いもの、食べることに手間がかかる骨付きや殻付きなどの食材を日頃の献立に積極的に取り入れると効果的です。

また、一口30回噛むことを目安にしたり、一口食べるごとに箸を置いて口の中が空になってから次の料理を食べるなど、噛むことに集中することで早食いや食べ過ぎの改善が期待できます。

テレビをみながら、仕事をしながらなどのながら食いはやめて、食事ときちんと向き合い、五感をふるにつかって食事をじっくり味わい、人との会話を楽しみながら食べたりすることもコツです。

【食事のコツ、食事は抜かない、まとめ食い・ドカ食いしない】

1日3食決まった時間に食事をとることがとても大切です。食事の回数を減らすと、その後の食事でまとめ食い・ドカ食いの傾向になり、血糖値が上がりやすくなるので注意しましょう。規則正しい3回食は、血糖のコントロールが良く、身体への負担が少なくなり、身体のリズムが整う優しい食べ方となります。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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