銅人腧穴鍼灸図経 講演会

 北宋・仁宗(1010-1063)の侍医で尚薬奉御であった王惟一が、詔を受けて記した鍼灸医学書。これを刻した石(天聖刻石)は国都開封の医官院に設置された後、元代に北京へ移設されたが、摩耗が著しいため、明の正統八年(1443)に英宗の御製序をつけて重刻された(正統刻石)。天聖刻石は、明代に紫禁城城門の建材として再利用され近年発掘されたが、正統刻石は亡失している。蓬左文庫に残る拓本(蓬左本)は、宮内庁書陵部本と並び、亡失した正統刻石から採拓された稀少な拓本である。また、第一帖の「敬公御遺愛之書」と記された題僉、第十帖の巻頭冒頭に捺された蔵書印「尾陽文庫」(朱文方印)、及び蔵書目録等の記述から尾張徳川家初代藩主徳川義直(1600-1650)の蔵書であったと考えられている。
【蓬左第104号(2023年1月4日発行)より引用】

 『銅人腧穴鍼灸図経』拓本の表と裏を読み解く —17 世紀前半における東アジアの医学交流— 令和5年度 第2回 名古屋市蓬左文庫講演会が2024年1月24日に開催されます。

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