栄養が大切メンタルヘルス

かつては、精神科領域においては食事があまり重要視されていなかったのですが、2000年以降に入ると、身体の健康維持だけでなく、メンタルヘルスにも食事が重要であるという研究が盛んになりました。

現代の食生活において、よくみられる問題が2つあります。そのうちの一つは、エネルギーを過剰に摂取してしまうことです。特に、スナック菓子やカップ麺などの加工食品は手軽に手に入れやすく、食べやすいため、多くの人が摂取していますが、これらは糖質や脂肪が多く含まれており、過剰に摂取することは肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などの原因となります。さらに、研究によるとこれらの病気とうつ病の発症には関連があることが示されています。肥満の存在がうつ病の発症リスクを高め、逆にうつ病が肥満のリスクを増加させることが報告されており、うつ病とエネルギー摂取過剰との間には相互に影響し合う関係があるということが知られています。

もうひとつの懸念事項は、栄養不足です。今日、私たちがよく食べる加工食品や白米、白パン、白砂糖などの精製された食品は、非常に食べやすくて美味しい反面、ビタミンやミネラルなどの重要な栄養素が取り除かれているものがあります。これにより、体には十分な栄養素を摂取していないにも関わらず、エネルギー摂取量が過剰になってしまいます。うつ病になると、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が不足し、感情や気分をコントロールする能力が低下し、前向きな気持ちになりにくくなる可能性があります。これらの神経伝達物質の生成に必要な材料や、それを助ける因子として不可欠なのが、食事から摂取する栄養素です。栄養不足の状態にあると、これら重要な神経伝達物質を適切に生成できなくなり、活力に満ちた生活を送る上で重要な役割を果たします。

健康な心を保つために、過剰なエネルギー摂取を避けつつ、必要な栄養素をしっかり摂取することが非常に重要であり、精神疾患の予防につながると考えられています。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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