暑くなると、多くの方が気にされるのが体臭ですね。体臭は、主に皮膚表面に存在する微生物が汗や皮脂、さらには老廃物を分解して生じた揮発性成分が原因となります。汗をかくことで、皮膚の表面に微生物が増殖しやすくなるため、体臭が発生しやすくなります。
【汗・皮脂・垢・雑菌がニオイのもと】
皮膚には、皮脂腺と汗腺と呼ばれる二つの腺があります。皮脂腺は皮膚を潤し、保護する役割を果たす皮脂を分泌し、一方、汗腺は体温を調節するおもな働きを持つ汗を分泌します。例えば、熱を感じたときやストレスを感じたとき、または辛い食べ物を摂ったときにも、私たちは汗をかくことがあります。
また、皮膚にはさまざまな種類の皮膚常在菌と呼ばれる微生物が生息しています。これらの皮膚常在菌は、皮脂と水分が混ざり合ってできた皮脂膜の中に生息しています。
皮脂や汗は、出たばかりの時はほとんど無臭ですが、時間が経つと皮膚常在菌がこれらの脂質やタンパク質、アミノ酸などを分解し、酸化させることによって、不快な臭いの成分である揮発性成分を発生させるようになります。さらに、特定の食品を過剰に摂取すると、その食品から生じる揮発性成分が汗腺や皮脂腺を通じて排出され、体臭の原因となることも知られています。これまでに、数百種以上の体臭の成分が特定されています。