どの世界にも、考え方ややり方のまとまりというか、グループがあります。「流派」というネーミングでくくったりしている世界もあります。鍼灸の世界にもあります。鍼灸の世界でいうところのそれは、症状や現象から、分類したり原因をさぐったりして、治療に落とし込むまでの方法かな、と考えています。
【鍼灸学校の教科書のやり方】
この症状には、このツボを使いましょう、と記載がしてあります。現代医学的な考え方ならこのツボ、東洋医学的な考え方でいくとこのツボ。鍼灸師の免許取得前、ここに刺せばいいのか、なるほどなぁ、と眺めてました。でも、なんとなく聞こえてくるのは「鍼灸は治療効果が出るまでに何度も通わないといけない」という声。確かに、自分の不調も3か月かかったしな。そんなもんなのかもしれない、と考えていました。
【治療院見学で聞いた患者さんの声】
鍼灸学校3年生の夏休み。見学に行ったある治療院で、「先生、前回のあのツボの鍼、すごく効いた。すぐ良くなった」という患者さんの声をカーテン越しに耳にしました。それも3時間の間に2人も。鍼ってすぐ効くもんなの?驚きでした。その先生がやっていたのが「整動鍼」という鍼のやり方だったのです。もちろん、即効性があるのはこの鍼のやり方に限ったことではありません。が、このやり方を学べば、すぐ効果が実感してもらえそうだ。学ぶことにしました。
【勉強会では】
最初のセミナーに出たのが、国家試験の終わった翌週。それからコロナ禍をはさんで、地道に続けています。愛知県は、この方法を学んでいる鍼灸師が多いので、何かと相談したりできて助かっています。勉強会も定期的に開催。久しぶりに参加してきました。
整動鍼で最も重要視されるのは、背骨の位置を確実にとること。特に首の骨7個と、胸の骨12個、腰の骨5個の中から、目安となる骨を背中から触って印付けします。最初の頃、とんちんかんなくらい全然とれず、毎回うなだれるように帰ってきました。今回はまずまずの出来。何年かかってんだよ、って感じですが。
その次は、背骨から肋骨に沿って横のツボをとる。印をつけても、なんだか変だなとは思いました。確認してもらうと、ツボとツボの間隔が短かすぎでした。コツを教えてもらい確認。そのあとは、復習したいからだのツボを取る練習。整動鍼はツボの位置が非常に細かく指定されています。鍼をすれば必ず反応があるところだからです。だから、とにかく位置を正確にとることが大事。即効性があるのは、こういった正確な取り方をしているからだからです。
勉強会終盤の話はまた後日。