女性の更年期の原因とは?つらい症状をやわらげるには?

更年期症状とは、女性の閉経に伴い、女性ホルモンが減少することで引き起こってくる一連の症状のことです。なぜ、この更年期症状は起こるのでしょうか?また、症状がつらいとき、どのような対策をすれば良いのでしょうか?女性の更年期の原因と症状をやわらげるための対処法についてお話ししていきます。

【女性の更年期の症状と原因】

女性の更年期とは、閉経をはさんだ前5年、後5年の10年ほどの時期のことです。50歳を中心にした前後5年(あわせて10年)程度の期間のことをさします。

この時期は20~30代で、最大ピークを迎えた女性ホルモンの分泌が急激に低下していく時期なのです。この女性ホルモンの急激な低下に伴って現れる心身の症状を更年期症状と呼んでいます。

更年期症状には、以下のようなものがあります。

  • ほてりと発汗(ホットフラッシュ)
  • 冷え(特に手足の末端の冷え)
  • めまい、頭痛、疲労感、動悸、息切れ
  • イライラ、不安、不眠、憂鬱

更年期の特徴的な症状として有名なものにホットフラッシュがあります。冷えやめまい、頭痛、不眠や、精神的とみられる不安定さなどもよく見られる症状です。これらは女性ホルモンである「エストロゲン」が減少したことで自律神経が乱れ、さまざまな身体の調節機能が上手く働かなくなることで現れます。

ただ、更年期症状は全ての女性で同じように起こるのではありません。閉経に向けたホルモンの減少以外にも、加齢といった見た目の変化からくる心理的なストレス、家庭や仕事の変化による社会的なストレスなど、いろいろな要因があちこちから絡み合い、それぞれ違った形で現れてくるのです。

【つらい更年期症状にはどうやって対策すればいい?】

このように更年期障がいの原因にはさまざまなものがあります。主な原因は「ホルモンの減少」「身体的・精神的なストレス」と言われていますので、これらの要素を減らしていくことが更年期症状の軽減につながります。
以下のようなことで対策していきましょう。

  • ホルモンの減少 ⇒ 食事療法、ストレスの解消
    大豆に含まれるイソフラボンは、更年期で減少していくエストロゲンと同じような働きをする成分としてよく知られています。納豆や豆腐、おからなどの大豆製品を適度に摂取することで、ホルモンの減少を緩やかにし、更年期症状を和らげることができます。大豆は日本の調味料、味噌、しょうゆの原料でもあるので、味噌汁や煮物などを常食すると、比較的容易に摂取することができます。
  • 身体的、精神的なストレス ⇒ 睡眠や休息、適度な運動などの生活習慣を改善する
    女性ホルモンは、ストレスがかさむと、さらに減少することがわかっています。ストレスを解消するためにも、身体的な健康を維持するためにも、生活習慣の改善はとても重要です。更年期の時期は、忙しさや体力の低下などから、運動不足になりやすい世代です。意識して適度な運動を取り入れるようにしましょう。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなどがおすすすめです。

【更年期にはホルモンの減少とストレスが大敵】

以上のことから、女性の更年期症状は、ホルモンの減少と身体的・精神的なストレスが大きく関わっています。この年代は仕事、家事、育児、介護などの忙しさとともに、将来に対する不安などが重なり、どうしてもストレスがたまりやすい世代でもあります。

上手に睡眠や休息を取って体調を崩さないようにしたり、ホルモンの減少が少しでも緩やかになるように、食事療法や適度な運動を取り入れて健康的な体を作るように心がけてみてください。

【更年期付近から注意したい病気】

女性ホルモンには、血管をしなやかに保ち、動脈硬化の予防、内臓脂肪の分解をしやすくするといった働きがあり、男性と異って女性は生活習慣病の発症が抑えられていました。しかし、閉経以降は女性ホルモンの保護がなくなり、「脂質異常症」「動脈硬化」「糖尿病」「高血圧」など生活習慣病へのリスクも高まっていきます。中でも、動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞など、重大な病気を引き起こす、危険因子であるため、特に閉経後の女性はこれまで以上に注意が必要となります。

  • 高血圧症・・・閉経前後の、血管の内皮機能を調べる検査(FMD検査)の結果から、動脈硬化が急速に進行することがわかりました。
  • 脂質異常症(高コレステロール血症)・・・閉経後の女性の血液中では、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が増加します。そしてHDL(善玉)コレステロールは減少します。このような変化はいずれも動脈硬化を促進し、心臓や血管に悪影響を与えます。
  • 骨粗しょう症・・・更年期を迎えると、エストロゲンの減少によって骨代謝のバランスが崩れていきます。閉経後、1年に2%ずつ骨量は減り、10年後には20%も減少するといわれています。若い時に蓄えた骨の量が減少して骨がもろくなり、骨折リスクが高まります。閉経後にはなるべく早く骨密度測定を受けましょう。正常の腰椎では骨梁(細い骨の集まり)が密になっていますが、骨粗鬆症の患者さんの腰椎では縦走する骨梁がはっきりとみえるようになっています。背中がまがる、若い時より2cm以上身長が縮むなどの症状が出てきたら要注意です。医療機関を受診するようにしましょう。
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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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